こんにちは美容師あべです。
今回は主婦が通信制で美容師免許を取る方法を徹底解説します。
私は実際に未経験の主婦の女性を雇用し美容師免許取得まで指導した経験があります。
主婦の方で美容師免許取得にチャレンジしようか迷っている女性は参考にして下さいね。
【通信制で美容師免許取得】主婦でも可能【実体験に基づき解説】
私も美容師免許を通信制で取得しました。
まず通信制を説明する前に美容師国家試験の概要を簡単にまとめましょう。
美容師国家試験
美容師国家試験の受験資格を理解しておきましょう。
美容師養成施設は美容師専門学校のことです。
美容師免許を取得するためには
- 昼間課程(2年)
- 夜間課程(2年)
- 通信課程(3年)
のいづれかの課程を修了する必要があります。
ここでは通信課程(3年)に的を絞って解説していきますね。
通信制で美容師免許を取得する流れ
まずはおおまかな流れを抑えましょう。
流れに沿って解説していきますね。
美容師免許【通信制】入学時期は4月or10月が選べる
通信制で美容師免許を取得する場合4月または10月どちらかのタイミングで入学することになります。
入学時期によって受ける美容師国家試験の日程が異なってきます。
またこれから説明しますが「美容室非従事者は10月入学者のみ」という専門学校もあるので注意が必要ですよ。
通信制の非従事者と従事者の違いは「履修時間」
通信制で美容師免許を取得する際「美容院に勤めているか否か」で履修時間が異なります。
美容院従事者は「300時間以上」の履修が義務付けられているのに対し非従事者は「600時間以上」の履修が義務付けられています。
美容院従業者の条件は入学前に美容院に就業しており「就業の証明書」を提出できるものです。
300時間ってどのくらいのイメージかつかめないですよね。
そこで私が実際に通信制として通い卒業した学校のカリキュラムを紹介します。
美容院従業者で10月に入学した場合の3年間の流れがコチラです。
このように1年次・2年次は年2回のスクーリングです。
3年次は年3回のスクーリングです。
それぞれ朝9時にスタートし夕方4時頃まで行われていました。
スクーリングは美容師国会試験で出題される学科の授業や美容師国家試験に出題される実技指導が行われます。
もし「非従事者」で美容師免許を通信で取得する場合「この倍」スクーリングに時間を割くことになります。
美容師国家試験の難易度⇒筆記試験はやさしい・実技試験は難しい
筆記試験の難易度
勉強の得意不得意もありますが「教科書からしか出題されない」「マークシート方式」であることから難易度は高くないというのが私の感想です。
自主学習で対応可能です。ただし範囲が広いので手広く覚えることは必要です。
テキストだけ勉強すれば確実に合格できる試験です。
実技試験の難易度
実技試験は2つの課題が与えられます。
1つは必ずカッティングと決まっています。
参考
- カッティングの準備(7分)
- カッティング試験(20分)
- カッティング後の整頓(1分)
カッティングの準備とはお人形をセットしてハサミやコームをセットします。
指の消毒なんかもします。
その後あらかじめ指定された決められたスタイルをカットします。
試験が終わったらお人形のお顔を拭いて綺麗に見えるように整えます。
もう一つの実技課題は「オールウェーブセッティング」「ワインディング」のどちらか1つが出題されます。
オールウェーブセッティングとはお人形の髪の毛にローションをつけてコームと指で形を整える課題です。
ワインディングとはパーマのロットを巻く課題。
参考
- ワインディングの準備(7分)
- ワインディング試験(20分)
- ワインディング後の整頓(1分)
ワインディングは制限時間内に綺麗に規定本数以上を巻き収める課題です。
かなりの練習が必要になります。
オールウェーブセッティングは試験時間が25分であとはワインディング同様です。
オールウェーブセッティング・ワインディングどちらが課題となるかはギリギリまで分からないのでどちらも練習する必要があります。
主婦が通信で美容師免許を取得するなら【非従事者コース】はおすすめしません
非従事者は客観視するのが難しい
スクリーリングの実技は【ハサミの動かし方】から始ります。
ワインディングも「髪の分け取り方」「とかし方」「巻き方」「ゴムの止め方」など細かく指導されます。
そのため全くの未経験者でも問題ありません。
スクーリングを終了すれば「合格到達ラインのカッティング・ワインディング」は理解できます。
ですが「理解」できるのと「実践」できるのとでは天と地の差があります。
スクーリング期間内に基本型を覚えて「家やサロンで練習する」ことは必須です。
非従事者の最大のウィークポイントは自分の技術を客観視できないことです。
例えばパーマを短時間で巻くためには無駄な動きを極力排除しなければなりません。
しかし1人だと「無駄」に気づきにくいし改善するのも難しいです。
さらにカットが正確に切れているか自分では把握しくいですし「なぜ正確に切れないのか」に気づくのも困難です。
非従事者はデビューが遅れる
通信制の場合は特に【国家試験に受かるためだけの指導】を行います。
例えばパーマの巻き方は「左からリーゼント」カットは「レイヤー」という切り方です。
これだけを反復練習します。
しかし現実のお客様の髪型は1種類だけではないですよね。
実は美容師国家試験に合格してからが本当のスタートなんです。
新卒美容師の場合免許を持ってサロンに就職します。
しかし最初はアシスタントという補助的な仕事からスタートします。
シャンプーやカラーリング、パーマ、カットなどの社内テストをクリアしスタイリストデビューできるのは2年~3年後です。
本気で美容師を目指すなら出来るだけ早くサロンに就職しシャンプーやカラーリングの実務にいち早く触れたほうがデビューまでの期間を短縮できます。
実際働いてみると手荒れが辛いなんてことに気づく可能性もあるので大事なことですよ。
美容学校の資料請求
美容学校によってスクーリングの時期などが異なります。
非従事者向けは開設していない学校もあるのでまずはお住まいの地域にある美容学校を調べましょう。
調べるなら専門学校の登録数が多いコレカラ進路.JPの利用が便利です。
私が住む地域を見ると有名どころがほぼカバーされていました。
通信制の場合美容学校選びは重要ですので、掲載数が多い資料請求サービスを利用してください。
合格率が高い美容専門学校は当然指導力に定評がありますので通信制は合格率を重視して選ぶべきでしょう。
私が住む地域の美容専門学校では「明るい髪色禁止」のいわゆる老舗の学校から校風がそこまで厳しくない学校まであります。
学費なども専門学校により異なります。
まずはお住まいの地域の専門学校に資料請求し合格率など比較検討して選ぶのが良いでしょう。
未経験者可の求人の探し方
美容室で働きながら美容師免許を通信で取得したい。
そんな時は「美容師 見習い」や「美容師 通信制」で検索してみましょう。
お住まいの地域で就職先があるのか把握しておいた方が良いでしょう。
主婦が美容院で働きながら通信制に通うのは厳しい
最後に当店で働いていた通信制の主婦さんのことをご紹介します。
当店で以前働いていた主婦の通信制さんはもともと受付で採用した女性でした。
彼女は入社時から美容師に憧れていました。
美容師免許を取得したいということになり週3日(日曜お休み)のアシスタントとして働き始めました。
美容師免許を取得していなかった頃の主なお仕事は
- お掃除
- 洗濯
- 受付&電話応対
- シャンプー
- 私が監督しながらカラーリング塗布
など。
昔はシャンプーなどは当たり前でしたが、今は無免許の場合お客様にふれさせないお店も増えていると思います。
その場合雑用のみの仕事となります。
未経験者向けのパートタイムの就職枠は少ない&技術習得も難しい
未経験者でも美容師免許を取るという前提であれば採用してくれるサロンはあると思います。
ですが採用するサロン側も育てて戦力にしたいと考えるのでフルタイムがほとんどです。
未経験可でパートタイムの採用枠は0ではないと思いますが限りなく少ないです。
あったとしても土日最低1日は出勤を求められる美容室がほとんどだと思います。
私の美容院では空き時間に練習を許可していました。
しかし空き時間に練習を許可しないサロンもあります。
それだけパートタイムという短い時間内で技術習得するのは大変でしょう。
休みが合わない
先ほど述べたように美容院で土日お休みをとるのは難しいです。
もしお子様がいらっしゃる場合、いない場合でも旦那さんが土日お休みの場合休日が合わなくなる可能性があります。
またお子様が小さい場合フレキシブルに対応してくれるようなサロンでない場合働きづらいです。
家族の理解が不可欠です。
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美容師の仕事の喜び
散々辛い面を解説してきました。
美容師になるにはこれだけハードルがあります。
しかし最後に喜びもあることをお伝えします。
当店は高齢のお客様が多いですが日々笑顔でお帰り頂けることに喜びを感じますし、他に行かないでと必要とされることにやりがいも感じます。
美容師免許を取得しお客様を担当できるようになるまで苦労があると思いますが仕事が出来るようになれば長く続けられる良い仕事です。
それでも美容師を目指すなら頑張ってください!