こんにちは、美容師のアベです。
とこんな疑問・お悩みの方にお答えします。
髪の毛の段とは?
段とは「髪の毛を頭皮に直角に引き出した時の上下の長さの違い」を表します。難しいかもしれませんので、下の図を見てください。
このように、段とは「髪の毛を頭皮に直角に引き出した時の上下の長さの違い」によって、以下の3つに分類されます。
- 「下の髪の毛より上の髪の毛が長い状態=グラデーション」
- 「下の髪の毛と上の髪の毛が同じ長さ=スクウェア」
- 「下の髪の毛より上の髪の毛が短い状態=レイヤー」
次に、段の「ある・なし」で髪型がどう変化するか見てみましょう。
段の「ある・なし」と髪型
段の有無で髪型がどう変化するかを理解するには、まず段がない髪型を知る必要があります。
それを理解することで段のある髪型がどう変わるのかが分かります。
段がない髪型=ワンレングスカット
ワンレングスとは段がない髪型を指します。
例えば、襟足が隠れた状態で、生え際がオレンジ線くらいにあると仮定し、そこから約4㎝髪の毛が伸びているとします。それがアウトライン(赤線)です。
このアウトラインまで頭頂部の髪の毛が届いている状態を「段がない状態」と言います。
段のある髪型=ワンレングス以外はすべて段カット
段カットとは「ワンレングス以外」のすべての髪型を指します。
ツムジの髪の毛がアウトラインより1cmでも短くなったら、それはすべて段カットになります。
この1cm短くなるか、10cm短くなるかによって「段」の広さ(粗密)が変わり、髪型のフォルム・量感・動きに影響します。
段のありなしの違いは「フォルム(形)量感・動き」
段のありなしの違いは「フォルム・量感・動き」として髪型に現れます。
段の密度が「狭い⇒広い」と変化するにつれて髪型も変わります。
具体的には
- フォルムは丸みを帯びたシルエットから平ら(タイト)なシルエットに
- 量感は重いから軽いへ
- 動きが少ない状態から動きが出やすい状態へ
最も量感が重く丸みが強い髪型がワンレングスで、最も軽くてシルエットがタイトで動きが出やすい髪型がハイレイヤーです。この2つは対局にある髪型です。
ボブ
ワンレングスのボブは段がない状態でした。毛先に厚みが出てボリュームの位置も低くなります。
このスタイルは年配の人はふけて見られやすく、Aラインスタイルとも言われます。
段を少しずつ入れることで、軽さと動きが出やすくなり、毛先の重みも軽くなりボリュームの位置も上がっていきます。
スクウェアを使った髪型
ボブからさらに段をつけた状態がスクウェアです。スクウェアは頭の形(骨格)通りのフォルムが現れます。
骨格に丸みがあれば髪型にも丸みが付き、ゼッペキだと髪型も平らになりますので、骨格を見ながらカットします。
レイヤーカット
レイヤーカットには「ウルフカット」も含まれ、シルエットはタイトで動きが出やすく軽いのが特徴です。
この写真は襟足にレイヤーが入っており、後頭部のボリュームはスクウェアです。
このように、髪の毛の段は複数をミックスしてカットされています。
レイヤーカットについてさらに詳しく
段に関するよくある疑問
段をなくすとはどういうことですか?
段をなくすとは「ワンレングス」に近づけることを意味します。
つむじ方向の髪の毛をできるだけ切らず、襟足の髪の毛を切ることで段をなくすことができます。
段をつけるボブとつけないボブの違いは何ですか?
段をつけないボブは「ワンレングスボブ」で、量感が重く丸みが強く動きが出にくい特徴があります。
段をつけるボブにすることで、量感が軽く、丸みがタイトに変わり、動きが出やすくなります。
段を入れるとはねますか?
段を入れることで髪がはねると勘違いされることがありますが、実際には段をつけることで髪のクセやはねを調整することも可能です。
クセによっては段を使ってグラデーションに変化させることで、はねが落ち着く場合もあります。
美容師が段を入れすぎました
段を入れすぎると動きがでる一方でまとまりが悪くなります。
気に入らない場合は、今後、頭頂部の髪の毛を切らずに伸ばしていくと良いでしょう。
例えば3ヶ月に1回程度アウトラインのみつめて、頭頂部方面は切らずに揃えてもらいます。
オーダーの仕方は「できるだけ上の髪の毛は切りたくない・ボブに近づけていきたい」と伝えればいいでしょう。
さらに詳しく
髪の毛を「すく」ことと「段をつける」ことの違いは何ですか?
髪型に軽さを出すには
- 段をつける
- 段をつけずに「すく」
2つの方法があります。
段をつけるとはこれまで解説したように髪の毛の長さを調整することでした。
「すく」というのは「すきバサミ」と呼ばれるハサミを使って髪の毛を物理的に少なくします。
例えば30%のセニング(すきバサミ)があります。
このハサミで100本の髪の束を切ると「30本」無くなり毛先が70本になります。
これが「すく」ということです。
段差をあまりつけない状態(例えばワンレン)で削ぎを入れることで軽くすることもできますし、段をつけて毛先のニュアンスをやわらかくするという選択もできます。
基本的には
- 形はそのままで軽くしたいなら「すく」
- 形を変えてフォルム全体をスッキリさせたいなら希望するシルエットをオーダーする(段をつける)
と良いでしょう。
信頼できる美容師によく相談すると良いでしょう。