こんにちは美容師アベです。
今回は美容師からディーラーに転職したい方向けに実際にディーラーにお勤めの「Iさん」にインタビューしました。
ディーラーの仕事内容はもちろん、給与は上がるの?お休みは取れるの?といったディーラーの実態も教えてもらったので最後まで読んでみてくださいね。
インタビューの詳細
利用媒体:クラウドワークス
美容師からディーラーへ転職するために努力したこと
Iさん
美容師からディーラーへ転職するために努力したことは以下の通りです。
- 社会人としてのビジネスマナーを身につける
- 最低限パソコンを使えるようにする(納品書や契約書を作成できる程度)
- 商品提案力を身につける
世間での美容師のイメージは、接客業+技術職というイメージです。
美容ディーラーへ転職する場合は、最低限のビジネスマナーやパソコンスキルが必須となります。
元美容師でディーラーの転職活動が失敗する多くは、面接でビジネスマナーが不十分なことを見抜かれたり、パソコンの基本的なスキルチェックの試験に落ちるパターンです。
面接や試験を無事突破するためには上記を習得できるよう努力することが重要だと言えるでしょう。
美容師の経験・知識がディーラーへの転職でどのように有利に働きましたか?
Iさん
美容師としての商品知識、薬剤知識、技術の知識、美容師が抱える悩みを理解している点などが有利に働いたと感じました。
特に、商品知識や薬剤知識が高ければ営業にすぐ活かせるので、面接でアピールすることができます。
さらに、美容師として働いていた時にディーラーに感じていたこと(不満点や求めていたこと)を話し、それを改善できるディーラーになりたいという、過去の経験から未来の理想を伝えることも大きなアピールになります。
また、美容師時代に商品を売ることが得意だった方は職務経歴書で大きくアピールすることができるでしょう。
具体的にシャンプーなどのヘアケア商品を月何本販売していたか、他の美容師と比べてどれだけ商品売上を上げていたかをアピールすると、営業としても即戦力であると判断されることがあるので転職活動が有利に進みます。
ディーラーの仕事内容
Iさん
ディーラーの仕事内容は主に4つあります。
- ルート営業
- 商品勉強
- 美容室への新商品講習
- セミナー企画
私の体験談をもとに仕事内容を紹介しますね。
ルート営業
ディーラーの仕事内容のメインとなるのが「ルート営業」の業務です。
ルート営業の1日は下記の通りです。
ルート営業の1日の流れ
- 9〜10時 顧客(美容室)へ電話し、商品を受注
- 10〜12時 受注した商品を集め、納品書を作成
- 12時 商品を車に載せ、営業へ出発(10〜20件)
- 12時〜13時 お昼休憩
※休憩時間は自由に取ることができるので、出発前に会社でお弁当を食べたり、出発後外で昼食を取り、休憩します。 - 13時〜17時:ルート営業の開始
基本的に、朝に受注した商品の納品+新商品などを店長や材料担当者に商品紹介します。そのまま商品の受注に繋がることも多くあります。 - 17時〜18時 事務作業(日報作成、納品書整理、提案商品資料作成など)
- 18時 退勤
上記がディーラーの主な1日です。訪問件数が多いのでいかに効率良く営業するか、重要度の高い営業先に時間を割いて売上拡大のための商品提案ができるかが大切になります。
商品勉強
美容業界では、日々新商品が発売されています。
その中で重要度の高い商品(カラー剤、パーマ液、スタイリング剤など)はメーカーの営業マンが来社し、説明会を実施してサンプルを配布してくれたりします。
時間は30分〜1時間で朝の8時半からや、夜の18時頃から開催されます。
美容室への新商品講習
日々のルート営業の商品提案で即受注に繋がる商品も多いですが、中にはパーマ液やシステムトリートメントなど、実際に試さないと受注しにくい商品もあります。
その際は、美容室の営業終了後(20時くらい)にメーカーの技術者を美容室に招いてモデルを用意し、商品を試す講習会を開きます。所要時間は1〜2時間なので遅い日は22時以降まで講習会を開く場合があります。
しかし、講習会を開くことで受注率は格段に上がるため売上拡大には非常に重要な業務となります。
セミナー企画について
競合ディーラーとの差別化のために、定期的に有名な美容師を招いてセミナーを開催することがあります。
その際、セミナー内容や司会進行などを企画するのもディーラー営業マンの業務の1つです。
有名な美容師に話を聞けたり、技術を見られるチャンスなのでセミナーをフックに新規営業することもあります。
美容師から美容ディーラーに転職した時のキャリアアップ
Iさん
入社後1年目
担当する美容室(80〜150件)と信頼関係を築きながら美容室ごとの特色や悩みを把握しながら営業します。
2年目以降
美容室との信頼関係も深くなり、売上を伸ばすためにどんどん提案や講習を開きます。
3年目以降
セミナーの企画やどの商品を仕入れるかにも携わっていき、幅広い業務を担当します。
5年目頃
地区のリーダーになり、個人の売上だけではなくリーダーとしてチームの売上管理も行います。
その後のキャリアは、営業課長、部長などを目指していきます。管理職を目指すためには、営業成績以外にもリーダーとしてチームの売上を伸ばせたかのマネジメント能力も大切になってきます。
美容師からディーラーへ転職して変わったこと
Iさん
収入の変化
収入は大きく変化しました。特にアシスタントからジュニアスタイリストの給料は、他の新卒の給料と比べても非常に低いです。
しかし、ディーラーへ転職すると会社にもよりますが、少なくとも世間一般の平均給与は手にすることはできるでしょう。
美容師の頃はボーナスというものが無かったので初めてボーナスを貰えた時は感動したことを今でも覚えています。
また、社会保険への加入も大きいです。社会保険へ加入することで厚生年金も加入でき、将来の不安が軽くなりました。
美容師の頃は自分で国民年金や国民健康保険を納付しなければならなかったので手間がかかるのと、金銭的にも辛かったです。
労働環境の変化
休日の取りやすさも大きい変化の一つです。美容師は、お客様から予約を頂いているので急に休むことはほぼ不可能です。
ディーラーの場合は、急遽休む必要があった場合、商品を運送便で送るなどの対処が可能なので急な休みにも対応することは可能でした。
労働時間という面では、ディーラーも講習などがあるので遅い日は22時を回ることがあります。ただ、美容師に比べると遅くなる頻度は低いので月のトータルの拘束時間は短くなりました。
美容ディーラーの仕事のやりがい
Iさん
自分の提案した商品を通して、美容室が繁盛しお客様から感謝されることがやりがいです。
美容室が繁盛することが自分の売上や会社の利益に繋がるので、担当している美容室が繁盛することは非常に嬉しいことです。
単なる商品提案だけではなく、その商品を活用したメニューの提案を行うことで、より美容室の売上に貢献することができるでしょう。
また、中には10年ほど担当するお店もあるので、新人の頃から付き合いのあった美容師が自分のお店を開くことになり、商品を全て任して頂けることも大きなやりがいです。
そのためにはルート営業として日々コミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築することが大切になります。
美容ディーラーの仕事の難しさ
Iさん
美容ディーラーの仕事の難しさは以下のように言えます。
- 競合ディーラーとの価格競争
- 決裁権のある人の信頼を得ること
- 営業の引き出しを多く持つことダミーテキスト
競合ディーラーとの価格競争について
美容ディーラーとはメーカーから商品を仕入れ、その商品を美容室へ販売します。そのため、競合ディーラーと取り扱う商品が被ることは日常茶飯事で発生します。
競合も取り扱っている商品をいかに自社で購入して頂くかがディーラーとしての腕の見せ所ではありますが、基本的には価格勝負は避けられません。
こちらがどれだけいい提案をしても、他社に安い価格を提示されるとひっくり返されることがあります。価格競争で勝つためには、「競合ディーラーの値引き上限を把握すること」や「価格以外で自社と取引するメリットを作り、お客様にアプローチする」ことが大切になります。
決裁権のある人の信頼を得ることについて
ルート営業は基本的に美容室の営業時間に訪問します。そのため、アシスタント〜オーナーまで幅広い人と接することになります。
商品提案をし、受注するためには決裁権のある人(材料担当、店長、オーナー)とコミュニケーションを取り、信頼を得られるかが大切になります。逆に言うと、アシスタントの人にいくら好かれていても売上が上がることはほとんどありません。
決裁権のある人が抱える課題や悩みを把握し、それを解決していくことで信頼を獲得し、様々な提案をアプローチすることで売上を拡大することに繋がります。
営業の引き出しを多く持つことについて
担当する美容室は様々なケースがあります。一人で経営されているお店、男性客に特化しているお店、人材育成に力を入れているお店などお店ごとに抱えている課題や悩みは様々あります。
それを把握すると同時に、それぞれの課題を自社の商品を通してどう解決するかの引き出しを多く持つことが大切です。
そのためには商品知識の把握、業界の流行の把握、消費者のニーズを把握することなど様々な知識が必要です。日々の営業で忙しい中、いかに知識を取り入れることができるかがディーラーの難しさでもあり、他の営業マンとの差別化に繋がります。
美容ディーラー転職の秘訣
Iさん
- ディーラーの仕事内容の把握
- 会社が営業に求めていることの把握
美容師経験を活かして上記2つを高水準で実行できることをアピールすることが秘訣だと思います。今回の記事を参考に、ぜひ転職活動にお役立てください。
さらに詳しく