こんにちは美容師アベです。

私は1人美容院を経営しています。
美容師歴は10年以上になります。
結論から言うと美容師に向いているかどうかは「器用さ」は関係ありません。
必要な素質は「ホスピタリティ」があるかどうかにつきます。
ホスピタリティとは「お客様を喜ばせたいと思う気持ち」です。
これさえあればどんな困難も乗り越えられますが無いなら美容師は辞めた方がよいかも知れません。
会話の上手さ・器用さが美容師の適性と関係ない理由について解説していきますので最後まで読んでみてください。
【美容師向いてない人の特徴】器用さは関係なし!必要な素質はホスピタリティ
美容師に向いてないと思う理由は様々ありますよね。
例えば
- 会話が苦手だから美容師向いてない
- 器用じゃないから美容師向いてない
中には「お前は美容師向いてないからもう辞めろ」なんて言われた人もいるかも知れません。
ですがこれらは一切美容師の適性と関係ありません。
会話が苦手な人・不器用な人は美容師に向いてないのか?
美容院はサービス業ですよね。
サービス業の中でも美容師は接客時間が長いお仕事です。
例えばパーマやカラーであればお客様と2時間くらい同じ時を共有します。
お客様は髪の毛が綺麗に整うことはもちろんですが「どのように時間を過ごしたか」トータルでサービスを評価します。
お客様は「快適に過ごしたい」と思っているからです。
いくら髪の毛が綺麗に整うからと言って2時間ずーっと不快な思いをさせられたらまた行きたいと思いませんよね?
だからこそ美容師には「楽しく過ごしてもらう・快適に過ごしてもらう」そんな接客が求められます。
もし会話に苦手意識があるとどうしても表情もかたくなりがち。
普通の表情をしているつもりでも「無愛想なスタッフ」なんて思われたり、きついお客さんだと上司にチクリ言う人もいるかも知れません。
こうして
- 美容師は会話が苦手だと向いてない
という誤った常識が形成されます。
また美容師は技術職です。
世の中には器用な人もいれば不器用な人もいます。
器用な人はどんどん社内テストをクリアしていく中で不器用ゆえに取り残されると美容師向いてないと落ち込むこともあるでしょう。
ですが器用であることと美容師が向いているかどうかは関係ありません。
美容師向いている人の特徴
「会話が上手じゃないと美容師向いてない」「不器用な人は美容師向いてない」こういう常識は一旦忘れましょう。
その上で美容師に向いている人ってどんな人か考えてみましょう。
美容師に求められているのは会話じゃない
美容師に求められるのは会話上手なことではありません。
「そのお客様が快適に過ごせるために自分には何ができるか一生懸命考える気持ちがあるかどうか」です。
つまりそのお客様を喜ばせたいというホスピタリティ(おもてなしの心)があるかです。
ホスピタリティがあれば会話が下手だとか上手とか関係ありません。
ホスピタリティがあるからこそあなたは「向いてない」と悩むのではないですか?
お客様のために「会話しなきゃ」と悩み「話せない自分に落ち込んでいる」としたらあなたはホスピタリティに溢れています。
そんな人は美容師に向いてます。
不器用か器用かなんて関係ない
極論を言います。
器用な人が1回で覚えられることを、あなたは10回かかるとします。
向いてない?
結論は簡単で10回やればいいんです。
10回で無理なら出来るまでやればいいんです。
不器用=向いてないというのは間違いです。
結局「ホスピタリティ」が命なんです。
技術に完成なんてありません。
唯一問題があるとすれば「想像力の欠如」かも知れません。
いくら器用な美容師でも「ホスピタリティ」がない美容師は絶対淘汰されていきます。
美容師に向いてない人の特徴
忍耐力が無い人は厳しい
美容師国家試験に合格し新卒採用された場合でもお客様を1人で担当しカットできるようになるまでには平均2年~3年はかかります。
それまでは雑用などの仕事も多いですし、アシスタントからスタートしスタイリストになるまでにはトレーニングも必要です。
努力を継続できる忍耐力や粘り強さが求められます。
ホスピタリティに乏しい人
美容師はお客様に喜んでもらった対価として報酬をいただく仕事です。
「お客様を喜ばせたい」という気持ちが美容師の仕事すべての原点です。
こういう気持ちが無いと
- 技術を改善して次は喜んでもらおう
- 快適に過ごしてもらえるように工夫しよう
といった意識が生まれないため意識改革が必要です。
素直じゃない・感謝できない
スタイリストになるまでは先輩に技術の指導を受ける必要があります。
指導を受けて問題点を指摘された時素直に受け入れられるような態度が求められます。
また指導してくれる上司はもちろんお客様に感謝の気持ちを持てない人は向いてません。
美容師向いてないと悩んだ時の乗り越え方
不器用でも会話が苦手でもホスピタリティがあれば美容師に向いているとお話しました。
とは言っても技術が習得できないし、日々接客が辛いのが現実なんだよ・・・
そんな声が聞こえてきそうです。
そこで乗り越え方をまとめました。
どんなお客様が得意か考えてみる
美容院にも色々な形があります。
例えばファッション雑誌を飾るようなモデルさんが多く訪れる時代の最先端を走るようなお洒落な美容院。
一方、地方の郊外で中高年層が多く訪れる美容院。
さらには事情があってお店に来店できないような高齢者・ハンディがある方のご自宅に伺ってサービスを提供する訪問美容師。
それぞれの美容院で期待されるサービスは異なりますよね。
ハイセンスの美容院
美容師向けに教育雑誌を出版するようなお店やお洒落な若者が通うような美容院。
こういうお店で求められるのは最先端のファッション情報。
新たに発売されたファッションカラーの情報をいち早くキャッチして提案したり、中には美容院とメーカーが一緒にファッションカラーを開発することも多いですよね。
例えばこういうお店に求められるサービスや技術は「最先端」である必要がありますよね。
それが「お客様が求める価値」だからです。
そこで働く美容師も常にファッションに気をくばりお洒落であることが要求されるでしょう。
郊外型店舗
地方の郊外型店舗の場合を考えてみます。
私のお店は50代以上、主に60代前後のお客様が多いです。
私のお店のお客様は「最先端の技術」よりも「日常で手入れがしやすく私らしい髪型」をお求めの方が多い。
もちろん、そこに+α他のお店では手に入らない価値が無いと駄目ですが。
接客に求められるのは居心地の良さでしょう。
例えば会話も最先端のファッションの話しではなく「旦那のグチ、お孫さんの自慢や楽しかったこと等とにかく話を聞いてもらいたい」というお客様が多いです。
訪問美容師
高齢者の御宅に訪問してカットやカラー、パーマを施術する美容師もいます。
高齢者の方は長く椅子に座っていることが難しいので正確で早い仕事が求められます。
体が不自由である場合がほとんどです。
気遣いができる人が向いています。
このようにお店によってそのお客様が「どのように過ごすことが快適なのか」は全く異なります。
あなたは美容師に向いてないと思うかも知れませんが
- 若い人との会話は苦手だけど、おばあちゃんと会話することは得意
というのであればお店を変えることであなたのよさが発揮できるかも知れません。
聴き上手になってみる
あなたは会話が苦手だから「美容師向いてない」と落ち込んでいるかも知れません。
会話が苦手な美容師ほど「話しかけないと」と思っているかも知れませんがそれは大きな間違いです。
美容師に会話を求められるとすればそれは「あなたが話す」ことではなく「お客様の話を聴くこと」なんです。
あなたの話を聞きたいお客様がいるとすれば相手があなたに興味がある場合だけです。
それは常連になってあなたの人となりを知りたいとなった段階で産まれる感情じゃないでしょうか?
例えば「あなたが○○いってきた楽しかったです」といわれてもお客様は「そうですかーへぇー」で終わりですよ。
会話が苦手だというあなたはきっと「何か会話しなくちゃ」と思っているかも知れません。
またあなたの勤めるサロンの方針かも知れません。
でも「話しかけなきゃ」という意識を変えて「このお客様は何を話したいのだろう?」と考えてみてください。
快適に過ごしたいと思っている
お客様は「快適に過ごしたい」と思っていると先ほど書きました。
お客様の快適さってその方によって異なりますよね。
例えば女子高生なら「友達感覚で学校の話や恋バナで盛り上がる」ことが楽しいと感じるかも知れません。
60代のおば様は「旦那のグチを聞いてもらえた」ことを快適だったと感じるかも知れません。
男性なら自分の仕事を賞賛してもらえたことを快適と感じるかも知れません。
また普段接客業で会話に疲れている人は「無言で本を読めた、目をつぶって静かに時間を過ごせた」ことが快適と感じるかも知れません。
快適さってこれだけ複雑なんです。
そこで求められるのは会話能力ではなく「想像力」です。
だからこそ大事なのはとにかく「聴くこと」なんです。
相手の話しを聴いてみてお客様の感情を想像してみましょう。
表情を見て会話したいのかしたく無いのかよく考えてください。
会話が盛り上がらなければしゃべらなくてもいいんです。
お客様が何を求めているか良く考えてみましょう。
技術習得が遅いなら想像力を働かせよう
なかなかテストがクリアできない・・・美容師向いてないのかな・・・。
美容師の仕事は創造することですよね。
例えばカットならこのお客様の骨格のウィークポイントを目立たなくするにはどんなカット技術が必要なのか。
後頭部がでっぱっている場合はつながるカットでは対応できません。
そんな時はわざとつなげげないカットを施したり。
美容の仕事は「どうしたらいいのかな?」と考える想像力が大事なんです。
シャンプーにクリアできなかった・・・次こそ頑張るぞ!これだけじゃ改善できません。
大事なのは「何故」と考えることです。
例えばシャンプーがクリアできない場合「なぜ?」と掘り下げてみましょう。
「シャンプーがタイム内に終わらないのは何故だろう?」
洗う時間が長くかかりすぎるからかな。
「なぜ洗う時間が長くなるんだろう?どこに無駄があるんだろう?」
カットなら
「なぜ綺麗にカットできないのだろう?」
「ブロッキングが原因なのか?シェーピングが駄目なのか?姿勢が駄目なのか?」
シェーピングが雑だからか?
シェーピングをどのようにすれば綺麗に早くできるのだろう?
と何故何故と出来ない理由を掘り下げて見ましょう。
きっとあなたのウィークポイントにいきつくはずです。
美容師向いているかどうか決め手はホスピタリティ
美容師に向いてるかどうかは
- お客様を喜ばせたい気持ちがあるか=ホスピタリティがあるか
で決まります。
もし
- もうだれも綺麗にしたいと思わない
- 美容の仕事を続けることが苦痛
というのであれば辞めるという選択肢もありです。
美容師を辞めた時との判断基準や辞め方は以下記事にまとめてあります。
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美容師辞めたくなる理由&辞める・続けるの判断基準をアドバイス【円満退職の秘訣あり】
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