「セルフカラーで髪がボロボロになる」という悩みは、カラー剤選びや「塗布~流す」までの工夫、正しいアフターケアを知ることで回避が可能です。
特に市販品で髪が傷むのは、美容室と違う「2剤の強さ」と「アルカリ度」にあります。
この記事では、現役美容院経営者の私が、セルフカラーでも美容室レベルでダメージを抑える具体的な裏技と正しいアフターケア、商品選びまで全て公開します。
セルフカラーで髪が痛む3大原因と適切なカラー剤の選び方
まずは「髪が痛む原因」を正しく理解することが重要です。
髪が痛む原因(1):市販品の「2剤のパワー」が強すぎる
白髪染め・オシャレ染めのヘアカラー剤は「1剤&2剤」から構成されます。
市販品の2剤は全て6%ですが、美容室の場合2%・3%・4.5%と数種類あります。

つまり市販品のヘアカラー剤は「すでに染めた部分にはできるだけつけない方がいい」です。
髪が痛む原因(2):「アルカリ度」が高く髪に残留しやい
セルフカラーで痛む原因は先ほど解説した2剤の%以外にもう一つあります。
それが「アルカリ度」です。
髪の毛が健康な状態は「酸性」です。
黒い髪の毛を明るくするには、髪の毛のキューティクルを開いて「メラニン色素(髪の黒さの元)」を分解することが必要です。
この「髪の毛のキューティクル」をどのくらい開く強さがあるかが「アルカリ度」です。
アルカリ度が高いヘアカラー剤は「アルカリの量が多い」ことを意味します。
一般的にヘアカラー剤のアルカリ度は公開されていませんが「当社比で低減」などの表記を参考にすると良いです。
痛みにくいカラー剤は、”あえて”「匂いがきつい」が良い
アルカリ剤がどのくらい髪の毛に残留するかがセルフカラーの痛みに直結します。
匂いがきついヘアカラー剤は「髪の毛に残留せず揮発している証拠」です。
カラーリング中はつんとした匂いがするものの髪の毛内部に残留しにくいため「匂いがきついから」避けるのは間違いです。
アンモニア水は匂いがきついものの残留が少なく、市販によく使われるものエタノールアミンは残留しやすいです。
残留すると髪の毛が弱酸性に戻りにくくなり加熱処理(ドライヤー・アイロン)にも弱くなります。
よって「アンモニア水」の方が匂いはきついものの髪の毛は痛みにくいと言えます。
髪が痛む原因(3):流し方や乾かし方が不十分
ヘアカラー剤を変えるより「流し方」「乾かし方」などのお手入れを変えることがより重要です。
【塗り方】ダメージを最小限に抑えるプロのテクニックを伝授
薬剤のパワーが強い市販品でムラやダメージを防ぐには、プロが行うような塗り方を意識して最短時間で施術することが重要です。
初心者のためのカラー剤タイプ別選び方
以下を基準にカラー剤のタイプを選びましょう。
| 髪の状態・目的 | 種類 | おすすめのタイプ | 塗りやすさ・ダメージ傾向 |
| 初めて髪を染める方 | ワンタッチ(全体染め) | 泡タイプがムラになりにくい | 泡は広範囲に塗布しやすいが、根元と毛先の塗り分けが難しい。 |
| 根元のみ染める方 | リタッチ | 乳液タイプがおすすめ | 塗りたい部分を正確に狙えるため、既に染まっている部分を保護しやすい。 |
もしリタッチで泡タイプを使いたい場合は、普段お使いのトリートメントやオイルをセルフカラー前に染まっている部分に塗って保護するといいです。
塗布前の最重要ステップ:事前準備とパッチテスト
髪を染めるのが初めての場合、パッチテストは必須です。
カラートリートメントやヘアマニキュアはパッチテストは原則不要です。(※商品の説明に従ってください)
一方、白髪染め(染毛剤)やおしゃれ染めはパッチテストが必要です。
パッチテストのやり方(必ず48時間前に行ってください)
パッチテストとは「アレルギー性接触皮膚炎」をさけるために必要なものです。
サロンでも本来は毎回施術前に行うことが必要とされています。
- 白髪染め・おしゃれ染めのお薬は1剤&2剤がありますので規定の通り調合します(白髪染めは1:1なので1g+1g、おしゃれ染めで1:2の場合1g+2g程度で構いません)。
- 綿棒でお薬を取り、二の腕の内側など皮膚の柔らかい部分に薄く塗布します。(30分後に乾く程度の塗布量で構いません)。
- 30分後&48時間後に様子を見ます。
- 発疹や発赤、かゆみや水疱、その他の刺激などを感じたら、30分経過前でもすぐに洗い流し、絶対におしゃれ染め・白髪染めはできません。

初めて染める方が用意したいセルフカラー用グッズ
セルフカラーは準備が命です。
汚れても良い洋服、新聞紙、ケープの準備に加え、以下の準備を推奨します。
- セルフカラー用のハケとカップ: 市販の付属のものより、使いやすいハケを使うと短時間で塗布が可能で、塗りムラも減らせます。
- トリートメント(保護用): リタッチの際、すでに染まっている毛先や特に傷みが激しい部分に塗布し、カラー剤から髪を保護するために使用します。

【プロ直伝】ムラ・ダメージを防ぐ塗布の順番
塗る順番を間違うと、ムラになるだけでなく、必要以上に髪が痛みます。
特にセルフカラーは時間がかかるため、塗布順序の意識は重要です。
1. 基本は頭を4分割する(ブロッキング)
頭を4分割(左耳~右耳の延長線と額中央から襟足までの正中線)に分けとるイメージです。
分割することで、塗り漏れや、どこまで塗ったかが分かりやすくなります。

おしゃれ染めと白髪染めで塗り始める位置を変える
| 目的 | 塗り始める位置 | 理由 |
| おしゃれ染め(全体染め) | 暗い毛先~中間を先に、最後に根元 ※染める必要がない毛先には塗布しない | 根元は体温で最も早く明るくなるため、最後に塗ることでムラを防ぎます。 |
| 白髪染め・リタッチ | 気になる根元(生え際・分け目) 毛先は最後 ※染める必要がない毛先には塗布しない | 白髪が気になる部分を最初に塗ることで、最も長く放置し、しっかり染める。 |
スライス(髪の取り分け)は2cm間隔で!
鏡を見て耳上から、青い線のように2cm程度の間隔で薄く分け取って塗っていくと塗り漏れを減らせます。薄くスライスすることで、カラー剤が髪の内部まで浸透しやすくなり、塗りムラがなくなります。
放置時間はラップで温めてもOK
放置時間は購入した商品に書いてあるのでそれを守りましょう。
規定時間より長く置いたところで染まりがよくなることはありません。
逆に時間が短すぎると十分に染料が発色せず染まりが浅くなります。
いつも染まりが悪い方は「ラップ」を頭に巻くのも効果的です。
(サロンでは行う手法ですがあくまで自己責任でお願いします)
さらに詳しく
痛みの9割を防ぐ!絶対守るべき流し方と乾かし方
セルフカラーで痛まない方法を実践する上で、薬剤を変えるよりも「流し方」「乾かし方」などのお手入れを変えることがより重要です。
痛みを抑える流し方(1)乳化を丁寧に行う
流す前に、まず「乳化」を丁寧に行うことが非常に重要です。
乳化とは、カラー剤をお湯で馴染ませる作業のことで、これが不十分だとカラー剤が髪や頭皮に残留し、色落ちや頭皮トラブル、そして痛みの原因になります。
簡単な流れ
- 流す前に洗面台やタライに手首がつかる程度までお湯をためます。
- お湯を少しずつ頭皮にかけながら揉みこみます。親指で小さな円を描くように、頭皮全体に馴染ませていきましょう。適時お湯をかけながら行います。
- 毛先も染めた場合は、毛先にもお湯を馴染ませながら揉みこみます。
- ヘアカラー剤が泥のようになってきたら、ある程度取り除き、茶色い色が出なくなるまでお湯でしっかり流しましょう。

痛みを抑える流し方(2)アルカリを弱酸性に戻すケア
染毛剤タイプの白髪染めやおしゃれ染めを行うと髪の毛のペーハーはアルカリ性に傾きます。

染毛剤タイプの白髪染めやおしゃれ染めを行うと髪の毛のペーハーはアルカリ性に傾きます。
アルカリ性になると図のように髪の毛のキューティクルが開きます。
問題はこの開いたキューティクルがすぐに元に戻らないことです。
痛まないための重要ポイント
開いたキューティクルが元に戻らないと髪の毛内部の潤い成分や油分などがキューティクルの隙間から外部へ流れ出やすい状態になります!すなわちキューティクルをできるだけ早く閉じることが大事です!
セルフカラー後開いたキューティクルを出来るだけ早く閉じる(健康な弱酸性に戻す)ために、カラー後1週間だけでも良いのでアミノ酸系シャンプーを使って痛みをケアーしましょう。


そうですよね。シャンプーを一本買うには費用もかかるし合わなかったら・・・。
こんな声を実際にお客様からも聞くのでお気持ちわかります。
そこで、カラー後の集中ケアに最適なアミノ酸シャンプーのトライアルキットをご紹介しましょう。
このシャンプーは、18種のアミノ酸を贅沢に配合しているのが特徴で、ヘアカラー後のアフターケアに適しています。
実際に試した方のアンケート(公式サイト)によると、5割の方が頭皮や髪に変化を感じたと回答しており、多くの方が「はり、こし、うるおい」を実感していると回答しています。
このことからもこのシャンプーの評価の高さが伺えますよね。
高評価なシャンプーを手軽に試せる機会はなかなかないので、ヘアカラー後も艶・うるおいのある髪の毛に導きたいなら要チェックです。
洗う際は、摩擦をできるだけ避け、たっぷりと泡立てて頭皮を中心に洗いましょう。髪の毛は擦らなくて大丈夫です。
さらに詳しく
痛みを抑える乾かし方:放置は絶対にNG
セルフカラー後は、しっかり乾かすことも重要です。
髪は乾くことでキューティクルが閉じやすくなります。
濡れた状態で放置すると、少しの摩擦で髪が痛みやすくなるため、シャンプー後はタオルで優しく水分を拭き取り、すぐにドライヤーで乾かすことを忘れないようにしましょう。

さらに詳しく
目的別!痛まないためのカラー剤の選び方とおすすめ商品
【白髪染め編】痛まないための鉄則
白髪染めには数種類あり痛み具合が全く異なります。希望する仕上がりと痛みを天秤にかけて白髪染めを選びましょう。
| 目的 | 選択肢 | 痛みのレベル | 備考 |
| 白髪だけ染まればいい(黒髪はそのまま) | カラートリートメント | 痛まない | 技術的にも容易。痛んだ髪の毛に染まりやすい。 |
| 白髪&黒髪全体を明るくしたい | 染毛剤(一般的な白髪染め) | 痛む | 酸化染毛剤を使用。必ずパッチテストが必要。 |
さらに詳しく
白髪染めでも傷みにくい商品を選ぶなら
シュワルツコフカラースペシャリスト
白髪を染めながら髪の毛もケアできるのがシュワルツコフのカラースペシャリストです。
セルフカラーで痛む髪の毛のたんぱく質(ケラチン)を補充し、失いがちな油分を補充します。
※加水分解ケラチン&植物油配合
【おしゃれ染め編】痛みを低減する商品の選び方
ミルクジャム
ミルクジャムはとろっとした乳液タイプで初心者にもおすすめです。
モデルチェンジで弱アルカリに調整したことで従来品よりダメージが低減していますし塗りやすさ、低ダメージで使いやすい商品です。
ホーユー ビューティーラボ ミルキィヘアカラー
ミルキィヘアカラーを選んだのはPHコントローラーが付属するからです。
髪の毛に残留するアルカリによって髪の毛はアルカリに傾きがちです。PHコントローラーによって弱酸性に導くことで痛みにくい環境を整えてくれるヘアカラー剤です。
フレッシュライトミルキーヘア
フレッシュライトミルキーヘアはセルフカラーで失いがちな髪の毛のたんぱく質&油分を補いながら染めることができます。
髪の毛のたんぱく質を構成する8種類のアミノ酸&油分が配合されています。






