【美容師を辞めたいあなたへ】その気持ちはあなただけじゃない
「美容師を辞めたい」と感じるのは、あなただけではありません。
給料の不満、人間関係、体力の限界。
誰もが一度は経験する悩みです。
この記事では、私が20年以上のキャリアで経験した苦悩や乗り越え方をもとに「辞めたい」と思ったときに考えるべきこと、実際の選択肢をわかりやすく解説しました。
美容師が辞めたくなる理由とは?離職率9割の実態と背景
美容師のあなたならすでに肌で感じているでしょう。
美容師の離職率は10年以内で92%とかなりの高水準です。
美容師の離職率が高い理由
新卒で美容室に就職するのが20歳頃、スタイリストになるまでにかかる期間はサロンによって異なりますが平均3年と考えると
- アシスタント1年目で50%が辞めている
- アシスタント3年目(スタイリストデビュー1年目)で80%が辞めている
- スタイリスト7年目(30歳ころ)に92%が辞めている
厚生労働省のデータによると、美容師の離職率は1年で50%、3年で80%、10年で92%と言われています。高い離職率の原因として、①給料が安い ②長時間労働 ③休日が少ない ④人間関係のストレス ⑤キャリアアップに時間がかかると、いった美容業界の問題点が挙げられます。
なぜ美容師の離職率はこんなに高いのでしょう。
私自身も美容師として働く中で感じたことですが、以下5点の問題が複合的に影響し、長期間働き続けることが難しくなっていると感じます。
アシスタント時代の給与が安すぎる
美容師の給料は、特にアシスタント時代の頃は非常に低いことが多いです。
売上を生み出せない時期は、基本給が最低賃金に近く生活も大変でしょう。フルタイムで働いても生活が苦しく、金銭的な不安が常に付きまといます。
そのため、給料に不満を感じる人が多く、転職を考える原因になります。
朝から夜まで・・・限界を感じる長時間労働
「美容師を辞めたい」と思う理由のひとつに、過酷な勤務時間があります。
顧客対応やレッスンの影響で非常に長く、朝から夜遅くまで働くことが一般的です。
長時間労働が常態化しているため、体力的・精神的に限界を感じて辞める人が多くなります。
休日が取れない・・・美容師のプライベート問題
美容師は土日や祝日が特に忙しく、休みが取りづらい業種です。
特に、アシスタントや若いスタッフは休みに講習会などへ出る必要がありプライベート時間を確保するのが難しいことが多いです。
休みが少ないことは、体調や精神面に悪影響を及ぼし、仕事に対する意欲が低下してしまいます。
職場の人間関係に疲れて
美容師を辞めたいと思わせる要因の中でも、人間関係のプレッシャーは大きな割合を占めます。
スタッフ間での競争や妬み、上司との関係、顧客対応など、ストレスが多い環境に長時間いることになります。
これが精神的に負担となり、辞める理由になります。
美容師の将来が見えない・・・キャリアップに時間がかかる
美容師としてスキルを身に付けるには、時間と努力が必要です。アシスタント時代は、技術を磨くために非常に多くの時間を費やさなければならず、すぐにキャリアアップできるわけではありません。成長が見えにくく、成果が感じられないことで、モチベーションが下がり、辞める決断をする人が増えるのです。
続ける人と辞める人の違いは何か?
辞める人と続ける人の違いは、大きく分けると「明確なビジョンを持っているかどうか」「職場環境の良し悪し」にあると感じます。
例えば、将来独立して自分のサロンを持ちたい、美容師として一生やっていきたいという明確な目標や強い意志がある人は、多少の壁や苦しさがあっても乗り越えていく傾向があります。
一方で、「美容師ってなんとなくおしゃれ」といったイメージだけでこの世界に入ってきた場合、現実とのギャップに戸惑い、気持ちが折れてしまうケースが少なくありません。
そしてもう一つ重要なのが、職場環境です。
レッスンが厳しかったとしても、一緒に頑張れる仲間や励まし合えるライバルがいれば、乗り越えられることも多いです。
また、つらいと感じるときに話を聞いてくれる先輩や、成長をしっかり見てくれる上司がいると、精神的にも支えられ「もう少し頑張ってみよう」と思えることがあります。
ストレスの発散が上手かどうか、うまくいかない時に前向きに捉えられるか、自分を必要以上に追い込まないかなど、続けられるかどうかには個人の性格や考え方も大きく関係しています。
これらが、美容師として続けられるかどうかの大きな分かれ道になっていると感じます。
美容師を辞めたい気持ちと向き合ったら
辞めたいと思った気持ちは決して間違ってはいません。
この記事では、美容師を辞めたくなった時の乗り越え方を深掘りしますが、併せて「円満に退職する方法・異業種への転職した人のリアルな体験談」も用意しています。
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アシスタント時代の「辞めたい理由」と向き合い方
給料が安くて生活が成り立たない
美容師の給料は、残念ながら決して高いとは言えません。
それに加えて、技術を磨くための出費が意外と多いのも現実です。
レッスン用のウィッグはもちろん、カラーリング用の手袋やコーム、ドライヤーといった道具類も自腹で揃える人も多いのでは?
勉強のためにTOMOTOMOなどの専門誌を購入したり、講習に参加するのもすべて自己投資です。
さらに、美容師という職業柄、見た目の印象も大切にされるため、ファッションやヘアスタイルにも常に気を配らなくてはなりません。
手取りが少ない中で、必要な支出ばかりがかさんでいく・・・生活がギリギリになるのは当然ですよね。
「頑張っているのに生活が苦しい」と感じるなら、それはあなたの努力が足りないのではなく、業界の仕組みに問題があるからです。
今の働き方で本当に将来が見えるのか、一度立ち止まって見つめ直すことも必要です。
本業に支障がでない範囲内で副業を検討するのも良いかもしれません。
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拘束時間が長く、休憩もとれない過酷な環境
美容師の現場は、とにかく拘束時間が長いのが現実です。
早朝の自主練から一日が始まり、営業が終わった後もレッスンや社内テストが続く。閉店後に「臨店」があることも。
さらに、忙しいサロンではまともに休憩が取れず、食事を抜く日も珍しくありません。
せっかくの休日も講習会や外部セミナーでつぶれてしまい「心も身体も休まる暇がない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
加えて、入社前に聞いていた労働条件と、実際に働き始めてからのギャップに驚くこともあります。
「聞いてたのと違う・・・思っていたよりつらい・・・」と感じるのも無理はありません。
これでは、働く意欲が薄れていくのも当然です。
美容業界は構造的にブラックな面が多く、個人の力で現場を変えるのは簡単ではありません。
このような状況に対し、2つの選択肢があります。
ひとつは、独立して自分自身が働きやすい職場をつくること。
もうひとつは、美容業界の外に出て、まったく異なる働き方を選ぶこと。
「ここで頑張る意味があるのか?」と感じたときは、自分の未来のために立ち止まって考えてみるタイミングかもしれません。
美容師がどんな業界・職種に転職しているのかランキング形式でまとめましたので転職を視野に入れている方は参考にしてください。
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技術が身につかない・成長を感じられない
技術がなかなか身につかず「自分は成長していないのでは?」と感じて辞めたくなる。
これは多くのアシスタントが一度は直面する壁です。
美容師の道は、スタイリストになるまでの下積みが長く、目標が遠く感じてしまいがち。
だからこそ、「いきなり大きな目標を目指す」のではなく「目の前の小さなステップを一つずつクリアしていく」ことが大切です。
たとえば、「カラーに一人で入れるようになる」「ヘッドスパの指名をもらう」など、達成可能な短期目標を設定することで日々の成長を実感できるようになります。
また、つらい状況が続くとどうしても「できないこと」や「うまくいかないこと」にばかり目がいってしまうものです。
そんなときは視点を変えて、美容師という仕事の「良い面」に目を向けてみましょう。
お客様から「ありがとう」と声をかけてもらったとき。
先輩に褒められたとき。
そんな小さな出来事に、自分の成長ややりがいを見い出せることがあるものですよ。
とはいえ、同期が先にスタイリストデビューして焦る時期もあるでしょう。
「自分は向いていないのでは」と落ち込むのも当然です。
でも、私は美容師に必要なのは「器用さ」よりも「お客様を喜ばせたいという気持ち」だと思っています。
技術は、時間と練習量で必ず伸ばすことができます。不器用でも、地道に積み重ねれば必ず形になります。
もし「自分は向いていないのかも」と悩んだときは、そこで思考を止めずに「なぜできないのか?」と原因を深掘りしてみてください。
たとえば社内テストに通らないとき。「私は遅いからダメだ」と決めつけるのではなく、「なぜ遅いのか?」と問いかけてみる。
カットのガイドを取るのが遅い?ブロッキングで時間がかかっている?
そうやって問題を細かく分解すれば、必ず改善のヒントが見つかります。
自分のペースで、一歩ずつ前に進めば大丈夫。あきらめなければ、道は開けますよ。
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手荒れ・腰痛がつらい
手荒れはできるだけ手袋を着用するのが原則です。
酷い場合は皮膚科に相談しましょう。
またお使いのハンドクリームに加えて、以下で紹介しているような水濡れから守ってくれるハンドクリームを重ねて使うこともおすすめです。
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腰痛対策は
- 腰ベルト等固定する
- 円皮鍼などでケアする
- 正しい姿勢を身に付ける
これらが大事です。
背中が曲がった状態でシャンプーしている場合は要注意ですし、肘を曲げた状態でお客様の頭を持ち上げると腰で支えがちになるので肘を伸ばし体全体を使うよう意識するなど工夫が必要です。
より詳細なアドバイスは以下にまとめています。
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スタイリストになっても続く葛藤
アシスタント時代は先輩の指示のもと仕事をすることが中心で、お客様への責任感を強く感じることは少なかったかも知れません。
しかし、スタイリストになるとお客様の髪の毛を実際にカットするなど責任が重くなります。
このギャップで入客が怖くなる美容師も多いのではないでしょうか。
私は極度のあがり症でカット中手が震えたり大変でした。
また給与を上げるには入客を増やして歩合を引き上げる必要があります。
ところが入客できない、またはリピートしない・指名が増えないなど、悩んでいるスタイリストもいるでしょう。
そんなスタイリストにありがちな悩みと、その乗り越え方をまとめました。
売上やノルマへのプレッシャー
スタイリストとして2年目にもなれば、ある程度の入客プレッシャーには慣れてきて、日々の仕事にも余裕が出てくるかもしれません。
けれど、いくら入客できてもお客様がリピートしてくれなければ指名は増えず、固定客もなかなかつかない・・・そんな不安に直面する人も多いはずです。
指名が増えなければ収入も上がらず、「自分には美容師の適性がないのかも」と悩むこともあるでしょう。
そんな時こそ、自分の強みを見つめ直してみてください。おすすめなのが、お客様へのちょっとしたアンケートやヒアリングです。
「なぜ、私を指名してくださっているのですか?」
そう聞いてみるだけでも、思わぬヒントが得られます。実際に私がアンケートをとったとき、多かった回答はこんなものでした。
あなたの強みはお客さんが教えてくれる
- 接客が優しい
- 丁寧に対応してくれる
- 親切だから
- カットが上手だから
技術面だけでなく、接客の「人柄」が評価されていたことに気づかされたのです。
もしあなたの強みが「丁寧さ」であれば、そこをさらに伸ばす意識を持ちましょう。
たとえば、「顔まわりのうぶ毛をしっかり処理する、ダッカールで髪を引っかけない、ホームケアをわかりやすく伝える」こうした小さな気遣いが「また来たい」と思ってもらえる理由になります。
美容師の仕事は、カット技術だけでなく「その時間をどう過ごしてもらえたか」という「体験」も含めたトータルサービスです。
お客様にとって快適な時間を提供することが、リピートにつながり、結果的にプレッシャーからも解放される近道になります。
あなたらしい接客で、お客様の心を掴んでいきましょう。
お客様との関係に疲れる
自分を追い込みすぎないで
美容師という仕事は、お客様と長時間接することが多いため、時にはその関係に疲れを感じることが多々あります。
コミュニケーション面でもそうですが、技術面でも「完璧にやらなければならない」「失敗したらどうしよう」と日々プレッシャーを感じる人も少なくないでしょう。
私も、最初は「失敗をしたらどうしよう」「お客様をがっかりさせたくない」という思いで、仕事に強いプレッシャーを感じていました。
しかし、ある時気づいたんです。
美容師が求める完璧レベルでなくてもお客様は満足してくれるということに。
仕事をしていく中で日々こうすればもっと良かったと感じるのは普通のことです。
プロとして仕事をしていく中で、大切なのは「最善を尽くすこと」です。
完璧を求めるあまり自分を追い込みすぎると、逆にお客様に不安や緊張感を与えてしまうこともあります。
失敗しても学びがある、不完全でも次に活かすことができる。
そう考えるようになったら、少しずつ気持ちが楽になりました。
お客様との関係は、必ずしも完璧な技術だけで成り立っているわけではありません。
時には「笑顔で接すること」「お客様の気持ちに寄り添うこと」が、もっと大きな価値を持つこともあります。
クレームを恐れないで
確かに、クレームや不満を受けることは辛いことです。
でも、それを避けるために自分を過度に抑えたり、無理に完璧を求めすぎたりしてしまうことは、さらにストレスを大きくしてしまいます。
大切なのは、クレームが来たときこそ冷静に対応し、学びに変えることです。
お客様が不満を持っているなら、その原因をしっかりと受け止めて改善すれば、次回にはきっとより良い関係を築けるはずです。
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また、理不尽なクレームに対しては、毅然とした態度を取ることも重要です。
「お客様は神様」と言いますが、これは「お店側がお客さんに向かって使う言葉」です。
サービス業だからこそ、お客様と自分は対等であることを忘れないでください。
あなた自身を大切に
美容師はお客様の満足を追求する仕事ですが、その前に自分を大切にすることが必要です。
自分を追い込んでしまうことなく、自分に優しく、他人にも優しく接する。
そうすることで、疲れも少なくなり、お客様との関係もより良いものになるはずです。
お客様との関係に疲れた時、自分を大切にすることが、最終的にはお客様にも良い影響を与えるということを意識してほしいです。

人間関係や職場の雰囲気で悩む
アシスタントがうまく働けないと感じることもあるかもしれませんが、その不満を口にしても、何も解決しません。
重要なのはアシスタントとの関係をどう築くかです。上手に育て、互いに信頼し合うことが、職場の雰囲気を良くし、仕事の効率も向上させます。
「一人でやった方が早い」と感じることもあるかもしれませんが、それでは自分の首を絞めることになりかねません。
美容師として長く働いていくためには、周りの協力を得ることが不可欠です。
特にアシスタントとの関係は、円滑な仕事を進めるためには欠かせない要素です。
スタイリストとして求められるのは、ただ技術を持っているだけではありません。
アシスタントを育てる意識改革が必要です。
アシスタントに対して「使う」だけでなく、「育てる」という意識を持ちましょう。アシスタントが成長し、自分の仕事をサポートしてくれるようになることで、あなたの負担も軽くなります。
また、アシスタントに自分で考えさせることも大切です。
何でも指示するのではなく、アシスタントが自分で考えて行動できるような環境を作ることで、責任感を持たせ、スキルを伸ばすことができます。
時には、自分の作業をアシスタントにゆだねることで、成長を促すとともに、あなた自身も余裕を持つことができるようになります。
職場の雰囲気が悪いと感じるとき、改善するために最も重要なのは、コミュニケーションと信頼関係を築くことです。
特に、アシスタントとの関係を良好に保つためには、細やかな配慮が必要です。
お互いの仕事に対してリスペクトし合い、適切なフィードバックを行うことで、信頼感が生まれます。
自分一人で背負い込むのではなく、周りと協力して働くことで、より良い結果を生むということを忘れないでください。
アシスタントとの協力関係を築くことで、職場の雰囲気が改善され、仕事もスムーズに進むようになります。
また、信頼し合い、共に成長する環境を作ることが、長期的に見て自分自身の成長にもつながります。
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「限界かも」と思ったときに考えたい3つのこと
本当に辞めたいのか、整理してみる
「もう無理」と感じたときこそ、一度立ち止まって自分の気持ちを整理することが大切です。
辞めたい気持ちは、「疲れた」「理不尽なことがあった」「連勤で身体がきつい」など一時的な感情であることも少なくありません。
紙に「今の職場でつらいこと」「続けたい理由」「辞めたい理由」を書き出してみましょう。
感情と事実を分けて見つめ直すことで、本当の気持ちが見えてきます。
判断に迷ったら以下の記事も参考にしてみてください。
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「向いてない」のではなく「合っていない環境」の可能性
上手くいかないと「自分には才能がないのかも」と思いがちですが、美容師にとって環境の影響は非常に大きいです。
上司の教え方、店舗の方針、人間関係などこうした「環境」が合わないだけで、自信を失ってしまう人も多いのです。
まずは「人の問題なのか」「制度の問題なのか」「仕事内容なのか」具体的に掘り下げてみましょう。
向いてないのではなく「今の場所が合っていないだけ」という可能性もあるんです。
「パワハラ・いじめ」で悩んでいる方も同様に、環境を変えることで解決する可能性があります。
パワハラ・いじめが横行しているような職場はそもそも普通ではありません。
今度は就職先選びに失敗しないよう事前にお客として美容室に行き探りを入れてみましょう。
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同じ業界内での環境変更という選択肢
今のサロンがしんどい=美容師を辞めるべき、と考えていませんか?
実は、サロンを変えるだけで驚くほど働きやすくなるケースもあります。
例えば
個人店からチェーン店へ(またはその逆)
アシスタント育成に力を入れているサロンへの転職
アイリストや訪問美容など、美容のスキルを活かせる別職種への転向
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「美容師を続けたいけど、今の働き方には限界を感じる」という方こそ、同じ業界での環境変更を視野に入れてみてください。
美容師を辞める?続ける?迷ったときの判断軸
転職・副業という選択肢
美容師を続けながら、別の道を模索することも可能です。
たとえば私は、本業で稼ぎつつ、副業ブログで年間61万円の収益を得ることができました。
また投資で資金運用も行っています。
美容師の仕事を続けながら新たな収入源をつくるというアプローチもあります。
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他にも、物販、SNS運用、ライティングなど、美容師の知識を活かせる副業はたくさんあります。
「今すぐ辞める勇気はないけど、将来に備えたい」という方にとって、副業は強力な選択肢となるはずです。
自分の理想の働き方を具体化してみる
「どう働きたいのか?」を明確にすることで、判断の軸が生まれます。
ポイント
土日は休みたい
将来は独立したい
家族との時間を優先したい
これらを洗い出すことで、次に選ぶ職場やキャリアの方向性が明確になります。
ここで美容師の現実を少し見てみましょう。
美容師の常用雇用者(正社員)(経営者は除く)の男女別年齢構成を調べた統計がコチラ。
男性美容師の7割近くは20代であることが分かります。
30代になると正社員として雇用されている男性美容師は約18%くらいに減ります。
40代以上は10%以下なので10人のサロンで1人いるかどうかになります。
女性美容師の場合は30代までは被雇用者として働く美容師は比較的多いものの、40代になると10人に1人程度になります。
次に美容師の年収データをご覧ください。
「令和元年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、美容師の平均月収は、男性で29万4000円、年間ボーナスなどは5万2800円。女性の場合、平均月収は23万8000円、年間ボーナスが5万1700円という結果でした。収入の男女差は、男性のほうが高いものの、統計データにおける平均年齢が、男性のほうが女性より2.1歳高いことも関係しているでしょう。日本の給与所得者の平均給与は年441万円であるため、美容師の給与は決して恵まれているとは言えませんが、自身の月の売り上げに対してのインセンティブや自分のお店をもち経営者になることまで考えるのであれば生涯年収は高くなる見込みもあります。
このデータから分かるように日本の給与所得者の平均給与が年441万円なのに対し男性美容師の平均年収は単純計算で353万弱(294000×12)。
ボーナスを含めても相対的に低いことは明らかです。
30代に限定した別のデータも見てみましょう。
美容以外の他業種を含めた全業種の平均年収
年収比較 全業種(前期/後期) 美容師 30代前半の数値 男性 461万円/517万円 約317万円 30代前半の数値 女性 315万円/313万円 約284万円
全業種は平成29年の国税庁「民間給与実態統計調査」
美容師は平成29年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
より抜粋
このように30代前半でも他業界より相対的に給与が低いです。
例えば将来独立開業するという明確な目標があるならともなく、漠然と美容師を続けるのは将来不安につながります。
自身のキャリアを真剣に考えてみると良いでしょう。
「今の職場を辞める」=「美容師を辞める」ではない
今の職場に限界を感じたとしても、それが「美容師としての限界」とは限りません。
たとえば、メーカーのインストラクターに転職した人もいます。
現場を離れても、美容の知識や経験は強みになります。
メーカーインストラクターに転職した元美容師のリアルな体験談
環境を変えることで、別の形で美容師としての価値を発揮する道もあります。
辞めたい気持ちを乗り越えたその先にあるもの
環境を変えたことで見えた美容師としての価値
このブログでは、実際に美容師からアイリストへ転職した方にお話を伺いました。
その方はもともとヘアメイクの仕事を希望していましたが、毎日アシスタント業務に追われる中で次第に疲れを感じるように。
さらに、高額なハサミのローンに不安を感じ、思い切ってアイリストへの転職を決めたそうです。
転職後は、美容師時代に身につけた接客力が大いに役立ったと語っていました。
このように、職種が変わっても、美容師として培ったスキルはしっかり活かせるのです。
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キャリアの積み重ねが信頼につながる実感
どんなに小さな経験でも、続けることは「信頼」の構築につながります。
初めは誰でも不安です。
ですが、毎日の積み重ねがお客様の信頼につながり、自分自身の自信にも変わっていきます。
辞めたいと思った時期があっても、「続けてきたからこそ見えた景色」もあるのです。
一歩踏み出す前に、いまの自分が築いてきたものを振り返ってみてください。
どうしても無理なら?異業種・他業界への転職も選択肢
美容師の経験を活かせる仕事とは?
美容師の資格を活かして転職する
スタイリスト歴が長い美容師なら資格を活かして転職することが可能です。
真っ先に思いつくのがカット専門店などのチェーン店です。
またフリーランスで美容師を続ける人もいます。
美容師免許を活かし美容師以外の分野で活躍する人もいます。
美容師免許を活かした美容師以外の仕事をさらに詳しく
異業種に転職する
美容師から異業種に転職する人も多いです。
元美容師は美容師の強みをどのようにPRして転職を果たしのかリアルな声を集めました。
先輩美容の転職先をさらに詳しく
美容師から異業種に転職するには?
美容師からの転職先ランキング
このブログでは実際に美容師から異業種に転職した方にアンケートを実施しランキングを作成しました。
美容師からどんな職種に転職可能性が高いのか、元美容師はどんな職種に転職しているのか、男女別にまとめましたので参考にしてください。
さらに詳しく
転職を考えるときに準備しておくこと:美容師の転職活動マニュアル
美容師から異業種に転職を考えているなら以下記事に必要な情報をまとめているので参考にしてください。
美容師から異業種に転職
それでも退職するなら・・・円満退職の方法
円満に退職するための方法をまとめましょう。
退職時期:法的には2週間前に申し入れればOK⇒一般的には1か月前(円満退職なら3か月前)
美容師を辞めたい場合法律でどう定義されているか把握しておきましょう。
民法627条に以下のような規定が定められてています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
WIKIBOOKS より
このように○年○月までという期間を定めていない雇用契約の場合2週間前までに退職を申し入れれば辞めることが可能です。
美容学校を卒業後美容室に就職した場合ほとんどが期間の定めの無い契約です。(いわゆる正社員)
法的には2週間前までとありますが、常識的には最低でも1か月前には伝えましょう。
ただし円満に退職するなら引継ぎを考慮して3か月前~6か月前が理想です。
ただし遠慮しすぎることはNGです。
あなたの精神・心理的状況で許容できる範囲で譲歩すればよいのです。
引継ぎは丁寧に
円満に退職するために一番大事なのは引継ぎでしょう。
カルテを丁寧に記載することはもちろん、記入しきれない
- 家族構成
- 趣味・嗜好
なども引き継ぐとより親切です。
長年担当しているとその方の趣味や嗜好が分かってくるものですよね。
ラーメン屋さん巡りが好き、旅行が好き、お子様は小学生、こんな情報を共有してあげるだけで引き継がれる方は助かります。
紙媒体のカルテなら「誰でも見て分かるように丁寧に書いておく」ことも大事です。
また当然ですが「アレルギー」や「過去のトラブル」などは絶対忘れず引き継ぎましょう。
業務関係の引継ぎは最低1ヶ月共同して行うのがベストでしょう。
実際指導しながら仕事をやらせてみてチェックすることでミスを防ぎます。
引き止められない上手な退職理由&退職届の作り方
退職理由を伝える際の大事なポイントは3つです。
ポイント
- 会社の悪口にならない退職理由であること
- 期限を切ること
- きっぱりと言い切ること
基本的には正直に話すのが一番ですが会社の悪口になるような退職理由は避けましょう。
また人手不足で辞めたいのに辞めらないケースも多々あるので「期限を切る」「きっぱり言い切ること」も必要です。
退職理由の注意点や・退職願のひな形・書き方をさらに詳しく
辞めたいけど言えない・辞めさせてくれない場合
美容師を辞めたいけど言えない場合もあるでしょう。
- 人手不足で言えない
- パワハラが怖くて言い出せない
- お客様に迷惑をかけたくない
- 育ててもらった恩義がある
- 次の仕事のイメージがつかない
また酷い美容室だと辞めさせてくれないケースもあります。
理由は様々ですが「あなたの人生」を犠牲にするのは違います。
あなたには辞める正当な権利があるので譲歩できる範囲内で交渉して退職すれば良いんです。
言いたくても言えない場合は以下記事を参考にしてください。
辞めたくてもいえない場合の対処法をさらに詳しく
まとめ:あなたの選択が、未来をつくる
辞めたい気持ちを否定せず、その中にある「本当の気持ち」に気づくことが、今後のキャリアのヒントになります。
この記事が、あなたの一歩を後押しできるきっかけになれば幸いです。